逆子の定義とその原因について

普段使っている治療道具です
逆子治療はお灸がメインになります


まず逆子治療で来院された方からのお便りから

逆子で来院された患者さんからのお便りです

どうして逆子はいけないのでしょう?

逆子というのは、胎児の位置が反対というだけで、赤ちゃんの体そのものに問題があるわけではありません。また母体も全く問題ありません。

胎児は大人と違って頭が非常に一番大きいので頭から出てきて欲しいのですが、逆子の場合は出産の時に足やお尻が先に出てきて、最後に一番大きな頭が出てくることになる事になります。

そうすると胎児の首から下は既に出ているのに、頭だけがひっかかって出てこられない状態になるような事もありえるわけです。その間は呼吸ができないわけですから、胎児は酸素が体内にとりこめないため、命にかかわる結果になるわけです。

※ ちなみに都内にある病院ですが「検討の結果、骨盤位の中では相対的に安全性が高いと考えられる場合には経膣分娩をおすすめしています。」と、胎児の状態によっては骨盤位分娩を勧める病院が今でもあります。

逆子はそのリスクを避けるために、ほとんどが帝王切開での出産となります。リスクを負う自然分娩は病院では許されません。我が家も帝王切開による出産児がいますし帝王切開の子どもでもしっかり元気に育っております。ですから帝王切開がいけないことだとは全く思っていませんが、手術のリスクを考えると、できることはやっておいたほうが、産後後悔しないためにもいいのではないかと思っております。

逆子はどのようなお子さんが多くて、どのような不安を抱くのでしょうか?

妊娠28週を過ぎると多くの胎児は頭を下(お母さんの骨盤方向)に向けるのですが、上(お母さんの胸側)に頭を向け続ける子もいます。これを逆子(骨盤位)といいます。

逆子は元気なお子さんが多い

逆子で生まれるお子さんは3、4%と言われています。
ということは95%以上の胎児が頭を下にするということ。
なんでそんな高い割合で頭をしたにするのか、、。

  • もともと子宮自体が頭を下にするような構造になっている
  • 頭が重いため下向きのほうが安定する
  • 頭が上にあると脳への血流が減少するため自らの力で逆立ちしようとする
  • そもそも頭を下にしていた方が胎児は楽

等々、諸説ありますが実際は何故なのかわかっていません。

逆子で生まれたお子さんを色々と調べているのですが、風邪もひかない、病気にならない、体力が有り余っているといった、元気なお子さんが多いように思っています!

鍼灸学会では逆子をこんな感じで捉えています。

お灸で骨盤位(逆子)が治る – 全日本鍼灸学会(PDF)
www.jsam.jp/pdflib/kiso_p13.pdf

逆子の不安

妊娠の7ヶ月目(24週)くらいまでは全体の30~40%の方が逆子であるといわれています。ですからその頃までは逆子とは言いません。妊娠8ヶ月(推定児体重1,000g前後)10~15%になり、ここで頭が上を向いていると逆子(骨盤位)という診断が下されます。

逆子の心配のほとんどが帝王切開への不安です。最近は帝王切開率が上昇しております。医師は帝王切開を不安に思っている妊婦は少なくなっているとでも思っているのでしょうか、都内では逆子との診断が下されても何もしなくてよいとの指示が本当に多くなりました。

逆子体操もお灸もエビデンスはまだ強固なものではありません。ですから医師がそれらを勧めないのもよくわかります。ですが妊婦さんの帝王切開に対する不安は相当なもので、できることはなんでもやっておきたいというのが本当のところだと思います。

最近の傾向として帝王切開の話が切り出されるのは32週あたりが多いように思います。

「医師に何もしなくて大丈夫と言われて安心していましたが32週の健診で帝王切開の話が出てきてびっくりしました。もっと早くから逆子対策をしていたらと思うと正直後悔の念でいっぱいです。」

32週で帝王切開を切り出されることが多いのも、この週数を過ぎて初めて来院される方が多くなった一因かと思っています。実際1,000g前後からお灸だけでなく逆子の対策がなされていれば、多くの方が頭位になると感じているので早めの来院をお勧めしたいところですが、治療開始時期が以前にもまして遅くなっているのは、病院側は妊婦さんが帝王切開に不安を抱いていることについて、気にしなくなったという実情もあるのではないかと思っています。

骨盤位外回転術

病院でできることといえば、骨盤以外回転術がありますでしょうか。最近はできる病院が少なくなりましたが、やっている病院は今でもあります。

骨盤位外回転術について以前書いた記事です

骨盤位外回転術について、受けられた方からのお話もお伝えできます

逆子の原因

 逆子の原因ですが、子宮筋腫や子宮の形(奇形)、胎盤の位置、狭い骨盤、へその緒の絡みつき、短いへその緒、羊水の量、母体の浅い呼吸、下腹部の冷え、高齢母体、糖尿病、喫煙、子宮筋腫、子宮周りの緊張、胎児のお尻が母体の骨盤にはまりこんでいる、低出生体重児、子宮内発育制限児、女の子、染色体異常児、先天奇形などが考えらるとの事ですし、そういうことが書いてあるサイトはいまだにあります。でもこれはです。原因はよく分かっていません

だからこのようなサイトを見ても心配しないでください。実際逆子を多く扱うようになって、上に書かれている「胎児・母子関連因子」は本当かなぁ……っていう気持ちはとっても強くなっています。

元気でなければ逆子でいられない

私は逆子になれるくらいだから、逆子の状態で成長できるくらいだから、きっと赤ちゃんは元気だろうし、元気じゃなければ逆子の状態で居続けることはできないんじゃないかと思っています。

逆子直しと自律神経

妊娠はホルモンと自律神経によってコントロールされています。気持ちがふさいだり不安感が増すと、コントロールできなくなります。特に睡眠の質や量が悪くなると要注意。 何らかの原因で逆子になりそのまま不安感を抱いた状態が続くと、血流量も適正でなくなり、直りにくくなります。その他、母体の骨盤と胎児の頭が合致しないと、胎児が中枢神経の障害を避けるため、自らを守るために逆子になるとも考えられます。

 

逆子と平衡感覚

逆子で生まれた子供は学齢期になっても平衡感覚が弱く、運動神経の発達に遅延が認められることがあるとの記事が存在するそうです

✴︎ 探しきれませんでしたが、それを見つけて不安になる人もいるかと思いここに書いておきます

胎児のうちに大人と同じにまで発達する唯一の器官である平衡感覚器官は、逆子が定着する時期までに完成しているので、位置の変化は感じとっているかもしれません。

ですが私の知る限り、逆子の子はみ〜んな元気だし、スポーツバリバリやっている子も多いので、実際のところどうなんだろうと思ってしまいます。

家族歴と逆子

ご自身やご兄弟、だんなさんが逆子で生まれるか、逆子の状態が長く続いていた場合、逆子で生まれてくる確率が高くなる傾向にある気はします。

特にご自身が逆子で生まれた、もしくは逆子の状態が長く続いていたという場合、30週ぐらいで直っても再び骨盤位になる事が何度かありました。

これは家族の容姿が似るのと同じように骨盤の形も似るからかな??と考えています。

家族歴がある方の場合ご家庭での宿題が若干おおくなります。できたら来院される前にご自身が逆子だったかどうかお母さんに尋ねておいて下さいね。

ちなみにノルウェーでの調査ですが、親が逆子であれば生まれてくる赤ちゃんが逆子の場合が2.2倍になるとの報告があります(なんと父親が逆子の場合も同等の確率とか、、)。
Maternal and paternal contribution to intergenerational recurrence of breech delivery: population based cohort study
https://www.bmj.com/content/336/7649/872

おおした鍼灸院逆子のページ

逆子の鍼灸治療について,150人/年来院

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ABOUTこの記事をかいた人

鍼灸師,按摩マッサージ指圧師 / 東京スキンタッチ会会長 / 逆子治療アドバイサー / 経絡鍼灸治療専門家 / 東洋はり医学会会友 / ヴィパッサナー瞑想経験者 / 子どもは4人。趣味はウォーキング、カメラ、野球、ラグビー、アメフト観戦等。