心臓移植と心と「夏の香り」(韓国ドラマです)

心は脳にではなく内臓にある
2006年03月22日 | 健康
もお読みいただけると幸いです。

「夏の香り」と言えば…
韓国ドラマ 「夏の香り」をご存知でしょうか?

ヨン様で有名になった「冬のソナタ」の姉妹編です。

夏の香り(初放送は2003年7月)
https://www.bs11.jp/drama/natsunokaori/

あらすじは……

幼い頃から心臓が弱い主人公ヘウォン(ソン・イェジン)は移植手術を受け、お金持ちの恋人チョンジェにプロポーズされます。やがては結婚するつもりだけど返事は保留。

ある日、ヘウォンは山で蜂に襲われそうになったところを、見知らぬ青年、ミヌ(ソン・スンホン 韓国で兵役逃れで問題になり入隊。その際、多くの日本人女性が見送りにいった韓国の有名な俳優さん) に助けられます。

災難が重なり、その夜二人は山荘で夜を明かすことになりました。最初は警戒するヘウォンでしたが、次第にうち解けていきます。一方ミヌは、ヘウォンがつぶやいた一言に驚きます。それは、死別したかつての恋人ウネが、初めて彼と出合った時に口にしたのと同じ言葉だったからです(WOWOWよりあらすじを抜粋)。

心臓の持ち主の心が物語の鍵に……。

ドラマを見ていない人が多いと思うのであまり多くは語れませんが、心臓移植を受けた人の身体に提供した人の心が宿り、元の物静かな自分と明るく快活な提供者の感情が入り混じり、その葛藤に心を悩まされる主人公の心の軌跡がとても上手く作られた、はまってしまったドラマです。

移植で変わる人格
……っと…ドラマの宣伝をするためにこのことを書いたのではなくて、心臓移植が元で、性格が変わるという事はよくある事のようです。

代表的な作品にクレア・シルヴィア女史の『記憶する心臓――ある心臓移植患者の手記』(角川書店刊)があります。

これはバイク事故で死亡した若者の心肺の移植を受け、ドナーの心に変ってしまったたクレア・シルヴィア女史の手記です。

陰陽五行論とは

本当に臓器移植で心が変わるなら、脳は一体何なの?

東洋医学で脳と言えば…

東洋医学では「脳」は「奇恒の腑」に入っています。これは五臓・六腑と同様に「素問」に記載されています。まず「奇恒」の意味ですが、これは「普通ではない」ということです。

機能は五臓とも六腑とも異なり、通常の臓と腑にみられる表裏の関係がありません。

形態的には「奇恒の腑」の多くは中空で「六腑」に近いので、「腑」の名がついていますがその機能は飲食物の通路という意味合いのある「腑」とは異なり、栄養を消化吸収したり、残滓を大小便として排泄するはたらきはありません。

また、「奇恒の腑」の生理機能は陰精を貯蔵・蓄積することで、機能的には「五臓」と似ていますが五臓のような複雑な生理機能を有しておらず、五臓とも異なっています。

ですから臓に似て臓では無く、腑に似ていますが腑ではない特殊なものであるところから奇恒の腑と命名されています。

以上のようなことからもわかるように、東洋医学では脳をそれほど重要なものだと考えていません。脳は臓腑に芽生えた欲求を統合し、身体に反映させることだけをしている”変圧器”のようなものだと考えるとよいと思います。

「脳」は「腎」に配当されます。

人間の成長・発育・生殖能力を支配しているのは、「腎」です。中医学の考えでは、骨髄、脊髄、脳髄は「腎」から生じたものであり、「腎」が司るものとされています。又、骨の中の髄は、「腎」が生み出すものとされていますから、骨髄、脊髄、脳髄は、皆、「腎」に属すものとなります。歯も骨の余りですから、「腎」の支配になります。「歯が弱い」とか「骨が弱い」とかは、「腎」の弱さと関係があります。

脳・脊髄という、人体の中枢神経の大元も腎と深く関わっています。ですから、ボケ等も「腎」の衰えと考えます。又、髪は「血余」と言われますが、その生成の元は、「腎」にあります。老人になると「腎」が衰えてきまずから、髪にツヤが無く、白髪になり、抜けていき、生殖能力も低下していわゆる「腎虚」の状態になってきます。

いったい心とは何なんでしょうか?

心を形作る最も核の部分は臓器の欲求だと私は考えています。

欲求があるからそれを手に入れるために行動します。子供だったら「欲しい=手に入れる」という短絡的な行動に出ますが、年を経るに連れて複雑な行動に出ます。

欲求といってもいろいろありますが、最も身体に根ざしたものに、食欲、性欲、睡眠欲があります。この三つを満たすために、ある人は人の上に立ちたがり、ある人は周りの人と同じ行動をとる。

人がそれぞれに置かれた環境の中で内臓の欲求を満足させるため、複雑な心を形成しているのではないでしょうか。

ストレスと感情と東洋医学

最後に……

東洋医学では先ほど述べたように「脳」をあまり重要視していません。

「素門」脉要精微論篇には「頭は精明の府」とあるので精神作用の一部は脳にもあるると見ていますが、やはりメインは五臓(肝、心、脾、肺、腎)と六腑(胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦)でしょう。

東洋医学でいう五臓六腑は内臓だけを指すものではありませんが、腹が減ればイライラするし、風呂に入って温まれば気持ちよくなります。

これはすべて内臓の欲求を無視したり満足させたりすることからくるのでしょうから、やはり心は内臓と密接につながっているのではないでしょうか?

参考図書

「内臓が生み出す心」 西原克成著  NHKブックス

「内臓のはたらきと子どものこころ」  三木成夫著     築地書館

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

アバター

2004年、南青山2丁目に”おおした鍼灸院”を開業しました。「鍼灸師が教える子どもツボ健康法」東京スキンタッチ会会長、東洋はり医学会会友。経絡鍼灸治療で針の痛みを感じる事無く治すよう心がけてます。逆子の治療はとても得意ですが、実は筋肉系の不調も得意です。子どもは4人、子どもの治療もしています。最近はカメラ、野球、ラグビー、アメフトに興味津々。