2つの経絡の関係性を考えると臓腑の意味ががわかりやすくなります
久しぶりにこの話を書いてみます。
2013年に勉強がてらブログにアップしていたのですが、なんと言いますか途中挫折、最近東洋医学の勉強を始めて、読み返してみました。
この機会に、今一度2つの臓腑間の関係性を考えてみたいと思います。
まずは以前書いたものを紹介します。
喘息と腎気の関係について
2013年08月09日 | 東洋医学、東洋思想腎ときたら心との関係も考えないとね
2013年08月10日 | 東洋医学、東洋思想夏場の冷えこそ要注意!腎と脾から見た東洋医学的生理について…
2013年08月13日 | 東洋医学、東洋思想
臓腑を単体で取り上げるよりも、臓腑の関係性から考えると見方が変わってきます。
今回は東洋医学でいうところの脾と肝の関係についてです。
肝について
「肝腎要」という言葉に代表されるように、肝は東洋医学でとても重要な臓腑です。
西洋医学的な肝臓とは概念的に違うのですが、西洋でもliver(肝臓)の語源はlive。
洋の東西を問わず「肝=生命=とても大切なもの」と捉えています。
肝の作用は2つ挙げると
- 血を蔵す(血液を貯蔵すること)
- 蔬泄を主る(全身の血液量をコントロールすること)
になります
特に蔬泄は「気・血・水」を整え、全身に気血を行き渡らせる作用ということでとても大切です。
気血が体の隅々まで行き渡る事により、循環器系や消化器系だけでなく、感情や精神面までもリラックスします。
精神的な疾患は気と関係する「肺」の病症が多いと思っている方が多いかもしれません。
でも、自律神経失調症等「肝」の補瀉で治療する事は少なくありません。
以前こんな感じで肝について書いていました!
脾について
脾の作用ですが、脾は気血を生み出す源です。
● 運化を主る (飲食物の消化・吸収や、水液の吸収・輸布のこと)
● 気血生化の源、統血を主る(栄養を吸収し、心肺で気血を化生し、栄養を全身に送るようにすること。血が経脈中をめぐるよう促し、脈外に溢れるのを防ぐこと)
といった作用があります。
この肝と脾ですが、肝の蔬泄作用が脾の運化作用を促進し、脾の統血作用は肝の血を蔵する作用を養います。
肝の機能がスムーズであれば脾胃の昇降・運化作用も健全に行われます。
この脾胃の昇清・運化作用は肝の疏泄作用が間接的に働いています。
疏泄がスムーズであれば脾胃の昇清・統血作用も健全に行われます。
五行では肝と脾は相克関係
五行では肝と脾は相克関係にあります。つまりどちらかが強くなればどちらかが弱くなるという関係です。
お互いが牽制しあう関係なので、どちらかが失調すると、とたんにバランスが崩れてしまい、抑うつ傾向や怒りに歯止めが効かなくなってしまいます。
特に湿気の多いこの時期は湿邪が脾胃を傷つけ消化活動を阻害するので、肝が血を蔵する事ができなくなり、イライラが止まらないという事がよくあるので、湿気の多い時期はとにもかくにも胃腸を元気しておく必要があります。
肝と脾は相克の関係にあることからもわかるように、肝の疏泄作用が失調すると脾胃の働きも悪くなり、昇清・運化さように障害が起きると、肝脾不和、肝胃不和といったことが起こります。
精神の抑うつや激怒などにより、胸脇痞満、食欲不振、食後の脹満、噯気が出て不快な症状が現れます。
次に脾の統血作用は肝の蔵血作用と密接な関係があります
脾の作用により、肝血は滋養され、肝は体内の血液量の調節を行います。
脾気不足して気血の生化作用が十分でなかったり、統血作用衰えてしまうと、肝血も不足してめまいや手足のしびれ、痙攣、目のかすみ、月経不順、各種出血といった症状が現れます。
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