モロー反射
「おくるみで手足を包み込むと赤ちゃんが落ち着き良く寝るようになる」といった話は広く知られていると思います。
これについて「モロー反射と関係するんですよ!」と保健士である患者さんが教えてくれました。
生まれたばかりの赤ちゃんはまだ胎内にいた時と同じような状態が好きだから、ややきつく赤ちゃんをくるむことでよく寝るようになるんじゃないかとは思っていました。
この事とモロー反射との関係には気がつきませんでした。
そういえばNICUの看護師さんが「小さく生まれると筋肉がまだ発達していないので、モロー反射でバンザイした手を元に戻す事ができず、それを元に戻すのも私たちの仕事なんですよ」といった話を思いだしました。
ところでモロー反射ですが、うろ覚えの部分もあったので、もう一度調べてみると。
モロ反射(モロはんしゃ、モロー反射、英:Moro Reflex)とは、脳幹レベルでの反射の1つであり、乳児に見られる正常反射の1つである。出生直後より出現し、通常は生後4ヶ月頃には消失する。モロ反射の消失によって、頚定(首が据わること)や首の運動が可能となるとされる。脳の障害により消失が遅れることがあり、逆に本来あって良いはずの時機に反射の減弱があると、核黄疸などの障害が疑われる。また、左右差が存在する場合も分娩麻痺などが疑われる。
オーストリアの小児科医エルンスト・モロー(Ernst Moro、1874年 – 1951年)によって発見された。
おくるみ
生後4ヶ月目ぐらいまでに始めるとおくるみも非常に効果が高いとのこと。
それを患者さんである保育士さんに話をしたら、確かにおくるみで寝かせていると、寝るようになる子が少なからずいるとのこと。
逆に大きくなっておくるみで寝かせようとしても窮屈なのを嫌がる子もいるので、試してみるなら早めの方が良いみたい。
なぜおくるみが効果があるのか。カープ博士の話も参考になると思います。
ハーヴィー・カープ博士(Harvey Karp, M.D.)
- 人間の赤ちゃんは、あらゆる生物の中で、一番無力な状態で生まれてくる。
- 生物の中で一番進化した人間の脳は、母親の胎内にい過ぎると、頭が大きくてなりすぎて難産になってしまう。
- 人間の赤ちゃんはまだ”胎児”の状態で生まれてくるので、出生から生後3ヵ月までを第4胎児期と考えるべきである
- 新生児は胎児期に母親の子宮の中でしっかり守られていたのに、その守りが急になくなって不安になって泣いたりむずかったりする。だから赤ちゃんの夜泣きや理由のないむずかりを鎮めるには、母親の胎内にいた環境に戻してあげるとよい
スウォドリングといずめこ
おくるみのことをスウォドリングといいます。
日本でも「おくるみ」は昔から伝わる育児法の一つ、東北では「いずめこ」という名で今に伝えられています。
これは赤ちゃんを、飯櫃を保温する道具に入れてゆりかご代わりにしてあやしたものから来ています。
「いずめ」=「飯詰」
東北地方のご飯の保温具のことを「いずめ」と言うのですね。これが由来みたいです。
いずめこといえば、いずめこ人形を思い出す方が多いようですが、私は西の人間なんで、この言葉自体知りませんでした。
この風習ですが、モンゴルにも同じような習慣があるようですし、インディアンのほとんどの種族も布でくるんだ赤ちゃんを”赤ちゃんの形をした板”に乗せ結わえつけるといった風習が残っているそうです。
なぜおくるみはすたれた?
日本では「育児放棄につながるのでは?」とか「股関節に悪影響があるのでは?」といった事がクローズアップされ、この風習がすたれていったとの事です。
さいごに、
おくるみですが、私はやっていないのでよくわかりません。
ご興味があれば、やってみてから判断する、でいいかのではないかと思います。
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