逆子治療において、それがうまくいっているかどうか、みなさんは評価するポイントをどのように考えていますでしょうか?
逆子のメインホームページはこちらです
https://oosita.jp/breechbaby/
その場での胎動に解を求めない
そういえば、NHKで放送された番組「東洋医学ホントのチカラ~最新科学で迫る鍼灸の秘密」に逆子治療のことを紹介していましたね。
お灸を行うと胎動が大きくなりました、ということをさかんにアピールしていたのを覚えています。
話は違いますが、以前短い時間での実技講師を頼まれたことがあります。テイ鍼の使い方でしたが、全くのアウエー、経絡治療を知らない方も多い中、ゆっくり近づけてゆっくり離すといった、一見誰でもできそうな手技を長々と実演してしまいました。鍼灸治療の実際は治療も勉強も地味な作業の連続です。本来ならば鍼を当てることにより、脈や皮膚の艶、症状の変化等を観察できればいいのですが、受講者もその訓練を受けておらず、私もしどろもどろ、そして本治法を教える時間も無く敵陣での見事な討ち死に。
逆子の鍼灸治療をテレビで紹介するのはとても難しいと思います。これを書きながら、我が事を思い出してしまいました。
治療院でお灸をしている間、妊婦さんはお灸とお腹に意識を集中します。それだけで、同じ胎動でもより大きく感じるかもしれません。そのような理由で、私は妊婦さんご自身による、お灸をした時の胎動の変化をさほど重要視していません。その場の胎動に解を求めすぎると、評価がうまくいかなくなるように思うのですが、いかがでしょうか。
逆子はいつ回るのか?
いつ逆子が戻るのかですが、ほとんどの方がいつ下を向いたのかわからないと言います。いつ戻りやすいのか、実際のところはわかりませんが、妊婦さんご自身が寝ている時に回転することが多いので、頭位になった瞬間がわからないのだと思います。
ですからお灸をやって胎動が多くなったというのはあまり意味がなく、よく眠れるようになったとか、お通じがよくなった、といった体の変化の方が、逆子治療の評価ポイントになると思っています。
逆子治療の評価ポイントについて
では逆子治療がうまくいっているかどうか、その評価をどのように考えているかということですが、まずは妊婦さん本人の実感が大切だということはいうまでも無いことのように思います。
胎動が増えた増えないといった、その場での動きの変化ではなく、治療後数日で胎動にどのような変化があったか、胎動の位置はどうなったか、ツボがあっているかどうかも含め、その後の治療方針を考える上で、これは重要なポイントになると思います。
そのほか、食欲やお通じ、睡眠の変化もとても大切のことのように思っています。
先週来院された方の話ですが、先週の来院時(30w1d)のお通じが3日に1回。酸化マグネシウム剤はもらっているが、使っていないとのこと。普段からお通じはこのような感じなので、さほど気にしていなかったとのことでした。
私はたとえ出るのが少しでも、毎日お通じをつける週間がある方が、頭位になりやすいだけでなく、安産にもつながると思っているので、そこの変化は、逆子治療におけるポイントの一つと思いました。6日後の来院時にお通じの変化をお聞きしたところ、酸化マグネシウム剤を使わなくても毎日もしくは2日に1回はお通じがあるようになったとのことでした。これは逆子治療の評価ポイントとして、とても大切な変化だと思います。また、お通じがよくなると、頭位になるだけでなく安産にも繋がりますので、考えていただきたいところだと思っています。
あと、お腹の形も大切のように思います。来院される時間帯、お仕事の後とか食事をとったかとらないかとかで変化しますが、治療後数日経ったあとのお腹の形の変化は治療評価で気にしているところです。
これらの変化と脈状や皮膚の変化、気持ちの変化等も参考に、2回目3回目の治療を組み立てるようにしています。
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