11月24日(日)10時〜13時、
逆子のメインホームページはこちらです
https://oosita.jp/breechbaby/
まずは今回参加された方のアンケートから
演題は「逆子治療の先にある産後ケアへの東洋医学的アプローチ」
以下のHP内アンケートにもありますように、集まっていただいた鍼灸師の皆さんに喜んで頂けたのが何よりでした!
『逆子』という状況を大下さんご自身がどう捉えてどう取り組むのか、ママにはどうお伝えするのか…などなど、産科学や経絡説など、本を読めば獲得できるような知識ではなく、人と人と、血の通った施術や説得の知恵をシェアさせて頂いたと思っております。
それにしてもお人柄って大事!つまるところ人間力!(笑)
大下さんと出会えた妊婦さんは幸せですね。また、このようなマタニティや子供さんに関連した勉強会があればぜひ参加させてください。
話の流れで逆子治療の話をすることになりました
今回の勉強会、ただいま会長をさせてもらっている「東京スキンタッチ会」で行ったもの。
「大下さん、逆子の勉強会やってくれる?」
「私でよければいつでもやるよ!」
みたいな感じで返事したら、場所と時間がすぐに決まってしまい(^◇^;)!!
フットワーク良すぎなスタッフなのです、東京スキンタッチ会の皆さん!!
その熱意に押されて、今回は小さな勉強会でしたが、かなり頑張って用意しました!!
参加者された鍼灸師さんは小児の治療や子育てママさん、そして妊婦さんの治療に長けた方が多いので、とてもお話しやすかったです。そして何よりも皆さん話を聴くのが上手すぎ!
聞き上手の方が集まると、とっても話がしやすいですね。ですから予定していなかった話もしてしまいました(笑)。
今回の時間割はこんな感じでした
これまでにいただいた質問に答える形式で勉強会開始(
30分)
グループに分かれて自己紹介と妊婦さんの治療への思いを語り合う(30分)。
逆子治療についての講義(30分)
三陰交や至陰をどこに取っているか、安産のツボとかを皆で話し合うグループワーク(30分)。
妊娠から出産までで鍼灸師が知っておいた方がいい事を時系列で(30分)
治療の実際(30分)
(時間はざっくり)今回は皆さんにも意見を聞きたいと思って、3時間という短い時間にもかかわらずグループワークを多めに入れることにしました。
最初は、これまで逆子の講演をした時にいただいた質問に答える形で勉強会を始めました。
逆子を戻すことに意識が向きすぎていないでしょうか?
質問の一つに「逆子治療は何割くらいに効果があるのか?」
この質問のほかに「治療の実際を知りたい」といった質問も多くいただきます。これらの質問が示すように、逆子を戻すことに意識が向きすぎている鍼灸師が多いように思います。もちろん妊婦さんは逆子治療のために来院されますが、
- 妊娠からすでに始まっている「子育て」という視点。
- 子どもは別個性、思うようにはいかないよ!っていう視点。
来院された方がこの視点に到達するまでには少しばかり時間がかかりますが、鍼灸師がこのような視点を持つことはとても大切だと思っています。
私たちは治療をしながら妊婦さんと時間を使ってコミュニケーションが取れるので、なにげない会話の中から解消できそうな不安を拾い上げ、その視点を変える作業も同時に行うことができれば、逆子に良いだけでなく、産後にも役立つものと考えて治療をするべきだと思っています。
逆子に目線が集中すると不安が増します。それで腹腔内も硬くなります。
逆子に集中しないようにするのも逆子を戻すために必要な事のように思います。
逆子でいろんなことに気づけて本当によかったですね!
意識をどうそらすか。
逆子を入り口に、「
そんな話がしたかたったのですが、演題の「逆子治療の先にある」
逆子治療のがうまくいっているかの判断について
ところで逆子の治療で治らなくても、
逆子が戻るための第1ステップは「ちゃんと食べるようになる」「ちゃんと出せるようになる」「ちゃんと休めるようになる」この3つだと思っています。
鍼灸治療を始めてこのどこかに良い変化が見られれば、それだけでも頭位になる確率は高くなります。
鍼灸治療は養生に長けています。鍼灸を続けることでご飯を美味しく食べられるようになり、お通じもよくなる。そしてよく眠れるようになるので、逆子云々かかわらず、
その養生を引き出すことができるか。そこが鍼灸師の腕の見せ所、だと思っています。
逆子が戻らなかった方にこそ、鍼灸治療を受けてよかったと思ってもらいたい
でも治らない方は確実に存在します。
以前講演した時、受講された鍼灸師に「うちは90%直っているよ!」と言われたことがあります。9ヶ月で10名(これまで10名?)
90%でも99%でも逆子のまま頭位が続く妊婦さんは必ずいます。
この残りの10%でも1%でも、それらの方が鍼灸治療をどのように思われたのか、
頭位にならなかった方にこそ喜んでもらいたい。逆子治療を始めた頃もそのような気持ちはあったと思います。しかし逆子治療を始めた当初はとにかく治療に来てもらうことが大切で、そんな余裕はありませんでした。そして治らなかった方にどのような声をかけたらいいかもわからず、後で文句を言われないように保険をかけるような感じで、逆子が戻らなかった場合についての話ばかり上手になってしまいました。
でも、逆子治療で逆子が戻らなかったかった方ほど、治療を受けて気持ちが落ち着いたと喜んでくださいます。
最初は逆子が戻らなかった方からクレームつかないよう、よこしまな考えで色々な言葉を探していましたが、今考えてみたら、それはそれでよかったかもしれません。
ということで、逆子が治らず帝王切開になった方にこそ「
逆子治療で来院された直近100名の出産予定病院は62病院
今回の勉強会に先立ち、いろいろと整理してみました。
逆子で来院された方を調べてみると、
- 今の現状をどう納得していただくか。
- 妊婦さんがどう今の自分の良いところを見つけることができるか。
それに気がつくだけでも体は色々と変化します。
治療で体がホッと一息ついて、気持ちもなんだか嬉しくなる。
それだけでも逆子治療のプラスになることと思います。
妊婦治療の目標
逆子治療も安産のための治療も、目標は妊娠している時だけでなく産後のQOLも上げること。
そして究極の目標は「妊娠する前より出産した後に元気になる」こと
例え逆子治療の結果が思わしくなくとも、ご自身の出産が最善だったと思ってもらうために、鍼灸治療は存在するのだと思っています。
その入口に、お産そのものを肯定的に捉えてもらえるための入口に逆子があるとしたら、そんな話をさせてもらいました。
- 逆子がこれで直った
- 逆子にこのツボがよかった
そんな話が聞きたかったかもしれませんが、
逆子が戻ればいいのですが、これは赤ちゃんが決めることなので、直る直らないにかかわらず、お母さんになる心構えもお伝えするようにしています。
私の妊婦さんへの治療はとてもニッチで幅が狭いです。
でもその話に付き合っていただき本当にありがとうございました。
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