最近逆子治療で来院された妊婦さんの話です。
他院で逆子の治療に肩から股関節から鍼を打たれまくったとのこと…。
そしてそれはただただ痛かったと…。
逆子治療のみならず安産のための治療を上手く行うためには、いかにリラックスできるお灸ができるかがポイントです。
ストレスのかかる治療は回るものも回らないと思うのは私だけ……??
刺激が多ければ回る…といった考えで逆子治療をする鍼灸師はいまだに多いみたいです。
ということで
体重管理ばかり気にした妊婦さんから生まれた赤ちゃんが肥満になりやすい事を書いたのはかなり前のこと。
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生活習慣病と胎児期の低栄養
生活習慣病の起源を胎児期の低酸素とか低栄養に求めるバーカー理論、かなりショッキングです。痩せたお母さんは低体重児を産みやすく、子どもは肥満になりやすい傾向にあると言われています。おなかのなかで赤ちゃんは低栄養の中で育たなければならないので燃費の良い子どもになるということらしいです。
妊婦の患者さんが多く来院されるのでこんな話もしています。
実はいまだに体重管理が厳しい産院がありますが大切なのは「太りすぎず、太らないように頑張ることもせず」だと思います。
妊婦さんの中には子どものためにすごい頑張ってしまう方がいるので、「太らないで!」と言われたら極端なダイエットを初めてしまう方がおられるのです。
ある程度大きく生まれた赤ちゃんの方が、その後の健康が約束されているという事実、欧米では信じられています。
アメリカで出産された方から伺った話です。
155センチくらいの痩せ方の女性ですが「30ポンド(≒13.6kg)は体重増やしてください」と言われたとのこと。
人種関係なくそう指導しているみたいです。
胎児に栄養が必要なのは当たり前だと思うのですが、病院で太りすぎを注意され、自身もプロポーションを気にしていたので、体重管理に過敏になっている妊婦さんはいまだに多いです。
妊娠6ヶ月までに飢餓を経験した新生児の約80%が肥満に
そこでこんな話をば。
ドイツ統治下のオランダで占領軍が略奪を始めた戦争後半、物資のないオランダ市民数十万人が餓死する事態となった「飢餓の冬」。
資料を読み解く事から提示されたのが「妊娠6ヶ月までに飢餓を経験した新生児が成人した時、約80%が肥満になったばかりでなく、心臓病、糖尿病、精神病なども多発していた」というった事。
妊娠6ヵ月までに飢餓を経験すると
- 摂取した食物を脂肪として蓄積しやすい体質になり、脂肪分を多く摂取しなくとも太る体質になる。
- 新生児の腎臓が小さく、血圧のコントロールがうまくいかず高血圧になり高じて心臓病になりやすい体質になる。
- 胎児の「倹約型の代謝」よるインスリン抵抗性により糖尿病になる。
- タンパク質不足による酵素不足で、ストレスホルモンの胎内への侵入が防げず胎児の脳を直撃する。
これはいまだに仮説でしかないとの話ですが、欧米だけでなく日本以外ではこれが信じられているのでしょう、赤ちゃんの低栄養を心配するあまり、とにかく太りなさい!との指示が出るのだと思います。
これを東洋医学的にいうと、脾経の虚であり、実であり。
飽食の現代とは違う事が昔は多々あったわけだから、経絡変動も昔と異なるのは当たり前ですよね!
あっ
話がそれちゃいました~。
最近病院では体重管理をうるさく言わなくなりましたが、日本ではまだまだ自然分娩が崇高なものとされている節があるので、体重管理を意識し過ぎている妊婦さんはいまだに多いように思います。
もちろんブクブク太るべき…なんて全く持って思っていませんが、太り過ぎを気にする余り妊娠時にダイエット的なことをされる方もいるのです。
体重管理を言うのであれば、妊娠時のダイエットも危険だということを一緒に言ってもらいたい(妊婦さん聞いているようで聞いていないので、太り過ぎと言われて無茶なダイエットする人いたりするので)のが私の思い。
ということで
食事をちゃんととる。そしてちゃんと体を動かす。
とっても当たり前の事ですが、これって大事なことなので。
あと、鍼灸治療は妊婦さんの心のケアにもつながります。
特にお灸をすると胎動も増えるので、温かくて気持ち良いだけでなく、赤ちゃんを感じることにもつながります。
気持ちよく過ごせれば、めぐりもよくなり、産後の肥立ちにも良いです。
自宅で手軽に安価で行えますし、試して損はしないと思います。
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