写真は妊婦さんに使う鍼(はり)の数々です。
この棒のようなものも治療道具、鍼の仲間です。
妊婦さんだけでなく、お子さんの治療やウツ等の気持ちの浮き沈みが激しいような方の治療も、これら棒を使って治療する事が多いです。
それにしてもこの私、世間には色んな鍼が出回っておりますが、なんだか同じような鍼ばかり集めて使っていますね(^◇^;)
色々持ってはいるのですが、使い勝手の良いものばかり使うので、どうしても偏ってしまいます。
今回は逆子ちゃんがなかなか下を向いてくれなくて、心配している方の話です。
治療をする側は逆子だけに目を向けるのではなく、治療が継続していく中で、改善されている部分、それがどのような意味を持つかお伝えし、妊婦さんご自身の不安を勇気に変える作業も大切な事と思っています。
ではどのような変化でその良し悪しを判断するか。
その判断基準をどう考えてどう伝えるか。
初診(30w)今週里帰り出産の予定が来週に伸びたので再びの来院(32w)。
里帰り先で頭位確認されました(34w)。
一回目の治療後の顕著な変化としては、、
- 便秘の解消(Mg必要なくなった)
- 睡眠の質の向上(初診時は一日2、3回起きる日があったが、起きない日が増えた)
初回は写真にあるような棒を使い、消化器系(脾気)のあふれ出んばかりの邪実を緩めるべく、腎肺を補い治療を開始。
三陰交は消化器系へのアプローチに長けているので、三陰交だけでもお通じに良い変化をもたらします。しかしお灸ばかりでなくこの棒を使ったことも、これだけの変化の力になったのだと思っています。
ただ、2回目の治療時(32w)はまだ頭が上にあり逆子の状態でしたので、本人は不安のご様子でした。
でも、この改善されている部分がどれだけ次に繋がるかということを認識してもらうべく、今の状態と今後の流れについてお伝えしたところ、不安も少し落ち着いたみたいです。
実際のところ、前回小指(至陰)の透熱灸なる直接灸はほとんど熱さを感じなかったみたいなのですが、2回目は熱さを感じておられました。
これは毎日お灸をしてもらえていた証拠です。
「とても変化していますね。これは毎日お灸をしてくれた証拠ですよ!家でもお灸をやってくれてありがとうございます。」
とお伝えすると喜んでおられました。
実際毎日お灸を続けていただくと、末端のめぐりが生まれます。
この変化はとても大切です。これは安産にもつながるのでとても良い変化だということを、安産だけでなく、子育ての話も絡めつつ、逆子への不安を和らげるように意識してお話ししました。
お灸も大切ですが、この方のお腹の膨らみは骨盤寄り。ですから腹腔内の臓器感の関係性の改善も大切になりますいので、いつもお伝えしている無理なくできる骨盤高位の体操はとても効果があるよと思い、そちらもお伝えしました。
実際ご自身もこの仰向けで行う体操は効果があったのではないかと言っておられました。
ですから一定の効果はあったのではないかと思っております。
この骨盤高位の姿勢(ブリッジ法)ですが、治療時にお伝えしている事です。
骨盤高位の体操は少しばかりコツがあります。それは高さと気持ち、呼吸に側腹部のストレッチ、そして副交感神経優位で行うという事。ただ闇雲にブリッジ法をしても効果はありません。
実際QOLの改善がみられましたし、頭位にもなりましたし。
赤ちゃんですが、子宮と胃腸のバランスをよくする(お通じに変化がある)
眠りが深くなる (赤ちゃんは寝ている時によく動く)と動き自体がとても変わります。
その先下を向いてくれるかどうかは赤ちゃん次第なのですが、これだけ腹腔内の空間に変化があれば、下を向かざるを得ないのではないでしょうか。
腹腔内の余裕は安産にも結びつくのではないかと思っているので、ヨガやマタニティービクス、スイミング等が安産に良いというわけではなく、それをどのような意図でやるか、ということが大切になります。
逆子への意図。
安産への意図。
これを意識する事はとても大切です。
三陰交のお灸と呼吸、階段とか坂道等々、これらは安産に良いと思います。
でもなぜそれが良いのか、それをわかってやるのとやらないのとでは効果に雲泥の差があります。
そういう話も聞いてもらえたら、と思っています。
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